初級試験(青年3級試験)2017 佐渡御書のポイントと予想練習問題

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2017年実施の初級試験(青年3級試験)における佐渡御書(さどごしょ)のポイントを要点を絞って紹介すると共に、練習問題(予想問題)を掲載しています。練習問題はこのページを学習すれば概ね解答できます。

佐渡御書の練習問題はポイント(要点)の文末に掲載されています。
すぐに問題をみるには⇒佐渡御書の練習問題(2017年の初級・青年3級向け)

2017年初級試験(青年3級試験)の佐渡御書のポイント

初級試験(青年3級試験)の出題御書・佐渡御書のポイントと要点についてです。佐渡御書の背景は出題項目として欠かせません。また、出題範囲の中で最も重要な部分の御文を中心に要点とポイントを述べています。

佐渡御書の背景(概要)

  • 著されたのはいつ:文永9年(1272年)3月20日(御歳51歳の時)。
  • 著されたのはどこで:流罪の地である佐渡の塚原。
  • 誰に宛てられたか:難と戦う広く門下一同へ。
  • 著された契機(きっかけ):文永9年(1272年)2月の二月騒動(北条一門の争い)勃発の報告を受けて。

佐渡御書の重要部分の要点と全体まとめ

2017年の初級試験(青年3級試験)の御書・佐渡御書の拝読範囲の中で、最も重要なのは以下の御文です。何度も拝して胸に刻むべきであり、暗唱出来るようにしたいものです。

『悪王の正法を破るに邪法の僧等が方人をなして智者を失はん時は師子王の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし例せば日蓮が如し(御書全集:957ページ8行目から10行目)』

日蓮大聖人が大難の渦中にあっても「師子王の心」で進み行くことを宣言された重要な部分です。

文中の「悪王」と「邪法の僧等」とは『畜生の心』の臆病な存在です。対して、「智者」とは師子王の如くなる心、すなわち勇気ある存在です。そして、その智者こそが日蓮大聖人ご自身であると仰せになっています。

『畜生の心』については、前段の「畜生の心は~力士をしる」の所でのべられていますが、理性を失い道理・道徳をわきまえず本能欲望のままに行動していく状態です。

この御文はまた、大聖人への迫害の構図を示しており、国家権力と宗教的権威が結託して日蓮大聖人お1人を亡き者にしようとした結果が、「竜の口の法難」と「佐渡流罪」になりました。その際、具体的に国家権力を行使した悪王の手先は「平左衛門尉(へいのさえもんのじょう)」であり、智者の弱い立場をあなどったのは「極楽寺良観(ごくらくじりょうかん)」です。

次の段の「これおごれるには~隠れしが如し」のところでは、勇気ある智者こそが大聖人御自身である(例せば日蓮が如し)というのは、驕りで言っているのではなく、「正法を惜しむ心が強盛であるからだと仰せになっています。いかなる迫害にも堂々と立ち向かわれたお姿はまさにそのことを物語っています。

そして、拝読範囲最後の「正法は~叶う可らず」のところで、正法は「時に適った実践」こそが「成仏の要諦」であり、悪世末法における「時に適った実践(仏道修行)」とは、師子王の心で「折伏」を貫くことであると仰せです。

拝読範囲(初級試験・3級試験の試験範囲)となる全4段(段落)を通じて、大聖人は、御自身の師子王の姿を示されると共に、門下に対して、師子王の心で悪と戦う者が「必ず仏になる」のであるから、これに続くように教えられています。

▲ここまでが佐渡御書の最重要ポイントです▲

以上が初級試験(青年3級試験)・佐渡御書の出題範囲に中で最も重要な御文を中心とするまとめ(ポイント)となります。

以下は同試験範囲の上記以外の御文及びその他のポイント(要点)となります。

【御文】畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し智者の弱きをあなづり王法の邪をおそる諛臣と申すは是なり強敵を伏して始て力士をしる、

要点:「畜生の心」とは弱きを脅し強き者にへつらう卑しい心。当世の学者等が日蓮大聖人を迫害するのは大聖人が社会的立場が弱く国(王法)の強い権力を恐れるから。「畜生の心」とは対極にあるのが「強敵を伏して始て力士をしる」と仰せの大聖人のお心。強敵と戦ってこそ、勇気と力があることが知られる。【末法は畜生の心が充満】

【御文】これおごれるにはあらず正法を惜む心の強盛なるべしおごれる者は必ず強敵に値ておそるる心出来するなり例せば修羅のおごり帝釈にせめられて無熱池の蓮の中に小身と成て隠れしが如し、

要点:「おごれる者」とは修羅界の生命であり強い者にへつらうが、師子王のごとくなると仰せの大聖人は「正法を惜む」菩薩界の生命。【真の勇気ある実践】

【御文】正法は一字・一句なれども時機に叶いぬれば必ず得道なるべし千経・万論を習学すれども時機に相違すれば叶う可らず。

要点:正法は「時に適った実践」があってこそ「成仏の要諦」となる。悪世末法における「時に適った実践(仏道修行)」とは、師子王の心で「折伏」を貫くこと。膨大な経典や書物の修学は時機に適わない。【時に適った実践】

佐渡御書における日蓮大聖人のご境涯とご精神

「一人ももるれば恨ありぬべし此文を心ざしあらん人人は寄合て御覧じ料簡候て心なぐさませ給へ(佐渡御書:961ページ)」の文には、日蓮大聖人の断じて1人も退転させてはならないとの希気迫が感じられる。

戸田先生は、論文「佐渡御書を拝して」で、「この御抄を拝して、深く胸打たれるものは、大聖人御自身の御命もあやうく、かつは御生活も逼迫しているときにもかかわらず、弟子らをわが子のごとく慈しむ愛情が、ひしひしとあらわれてくることです。春の海に毅然たる大岩が海中にそびえ立ち、その巌のもとに、陽光をおびた小波があまえている風景にも似ている感がある」と述べられている。

佐渡御書の練習問題(2017年の初級・青年3級向け)

【問1】佐渡御書を著されたきっかけとなったのは立正安国論で予言された自界叛逆難にあたる北条一門の争いが勃発したとの知らせを受けたこと。その騒動の名前を何と言うか?答えなさい。

【問2】佐渡御書は「誰に宛てて著された」御書か?以下から選んで、その記号を指しなさい。
(ア:平左衛門尉、イ:富木常忍、ウ:門下一同、エ:四条金吾)

【問3】佐渡御書の以下の御文の記号部分に入る言葉は何か?答えなさい。
『悪王の[ア]を破るに邪法の僧等が方人をなして[イ]を失はん時は[ウ]の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし例せば[エ]が如し(御書全集:957ページ8行目から10行目)』

【問4】佐渡御書では流罪の地・佐渡に至る迫害の構図について述べられている。悪王(国家権力)の手先として大聖人を逮捕・捕縛したのは「誰か?(A)」。また、宗教的権威をもって大聖人を迫害したのは「誰か?(B)」。AとBの名前を答えなさい。

【問5】日蓮大聖人は「師子王の心」で仏法の正邪と道理の上から正々堂々と戦われた。これに対して、強きを恐れ弱きをおどす本能のままの臆病な心を「何」の心と言われているか答えなさい。

【問6】「これおごれるにはあらず正法を惜む心の強盛なるべしおごれる者は必ず強敵に値ておそるる心出来するなり」、の御文について、「正法を惜む心」と「おごれる者」はそれぞれ「十界の生命」の何界にあたるか?答えなさい。

【問7】『正法は時に適った実践こそが成仏の要諦となる。悪世末法における時に適った実践(仏道修行)」とは、師子王の心で「[A]」を貫くことであり、膨大な経典や書物の修学では適わない』、の文の[A]に入る言葉は何か?答えなさい。

【問8】仏が法を説く「時」と、その仏の教化を受ける側の衆生の「教えを理解して信じて行ずる能力(機根:きこん)」のことを仏法では何と言うか?答えなさい。

<練習問題の解答>

  • 問1:二月騒動(にがつそうどう)
  • 問2:ウ(門下一同)問3:[ア]⇒正法、[イ]⇒智者、[ウ]⇒師子王、[エ]⇒日蓮
  • 問4↓
    A⇒平左衛門尉(へいのさえもんのじょう)
    B⇒極楽寺良観(ごくらくじりょうかん)
  • 問5:「畜生(ちくしょう)」の心
  • 問6↓
    正法を惜む心⇒菩薩界(ぼさつかい)
    おごれる者⇒(しゅらかい)
  • 問7:[A]⇒折伏(しゃくぶく)
  • 問8:時機(じき)

以上、「初級試験(青年3級試験)2017 佐渡御書のポイントと予想練習問題」と共に、教材(大白蓮華2017年6月号)を今一度ご参照下さい。

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