諸法実相と久遠実成|青年教学3級(初級)法華経の法理から

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諸法実相(しょほうじっそう)と久遠実成(くおんじつじょう)は、大乗仏教の精髄である法華経の主要な法理です。以下、青年教学3級試験(初級試験)の出題範囲である諸法実相と久遠実成について要点をまとめています。また、文末には、関連する練習問題と解答を掲載しています。

諸法実相は万人成仏の原理を示している

「諸法実相」と「二乗作仏」は法華経迹門<前半>の中心となる教え。

仏も凡夫(衆生)も等しく妙法蓮華経の当体であるとする諸法実相の法理は、万人成仏の原理を示している。方便品第2の中で説かれている法理。

  • 諸法とは、現実世界の様々な全ての現象・ものごと。
  • 実相とは、究極の真理。

仏の智慧が覚知したのは、諸法は実相の表れであり実相は諸法から離れた存在ではないということ。このことを諸法実相という。

日蓮大聖人は、諸法とは「十界の衆生とその環境世界」、実相とは「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」と、具体的に明かしている。
「下地獄より上仏界までの十界の依正の当体・悉く一法ものこさず妙法蓮華経のすがたなり(御書:諸法実相抄 1,358P)」

諸法実相によって、仏と九界の衆生(十界それぞれ)が本質的にすべて妙法蓮華経(実相)として「平等」であることが示された。

法華経以前の教えでは、仏と凡夫(九界の衆生)には越えがたい断絶があるとされたが、諸法実相が説かれてことで、仏と凡夫は現実の様相が異なるとはいえ、本質は同じで差別が無いことが明かされた。つまり、どのような九界の衆生も成仏が可能であるという原理が説かれた。

自身と等しい仏の境涯に到達させること(如我等無異)こそ、釈尊はじめ仏たちの根本の願いであり、仏法の根本目的。それはまた、「出世の本懐(しゅっせのほんかい)」といって、仏がこの世に出現した根本目的。

久遠実成の法理では永遠の仏が明かされている

「久遠実成」は法華経本門<後半>の中心となる教え。

三世永遠に本来誰もが仏であるという生命の真実。これを明かしたのが久遠実成の法理。如来寿量品第16の中で説かれている。これまでの成仏観・釈尊観を根本から覆した法理。

釈尊が今世で初めて成仏した(始成正覚:しじょうしょうかく)というこれまでの考え方を打ち破り、釈尊は実は五百塵点劫という、はるか久遠の昔に成仏して以来、この娑婆世界に常住する仏、つまり、永遠の仏であることが明かされる。

インドの釈迦族の王子に生まれた釈尊が、修行の末に菩提樹の下で覚り、仏になった。釈尊は過去世に仏道修行を積み、その結果、今世で初めて仏になった。というのが、法華経以前のあらゆる教え(爾前経)及び、法華経迹門<前半>までの考え方(始成正覚)。

久遠実成は、この始成正覚の釈尊像を根本から覆す法理。

成仏してもなお、衆生を救う菩薩の道の寿命は永続しており、一旦は入滅した様相を方便として示すことを「方便現涅槃」という。 入滅した仏は衆生の仏道修行の求道心に応じていつでも姿を示すという。つまり、現世・娑婆世界こそが永遠の仏が住む寂光土であることを「娑婆即寂光(しゃばそくじゃっこう)」という。

★久遠の過去から無限の未来まで、本来、誰もが仏であるという生命の真実を明かすのが、久遠実成の法理。

▲要点まとめは以上▲

諸法実相と久遠実成の練習問題

【問1】法華経迹門<前半>の中心となる教えは「二乗作仏」ともう一つは何か?

【問2】法華経方便品第2の中で説かれている万人成仏の原理を示している法理とは何か?

【問3】日蓮大聖人が明かされた諸法実相の「実相」とは、具体的に何か?

【問4】仏が衆生を自身と等しい仏の境涯に到達させること。それは、仏がこの世に出現した根本目的です。この根本目的を何というか?

【問5】法華経本門<後半>の中心となる教えは何か?

【問6】爾前経及び法華経迹門までの成仏観・釈尊観を根本から覆した法理は何か?また、それはどの「品」に明かされているか?

【問7】久遠実成に対して、釈尊が今世で初めて成仏したというこれまでの考え方を何というか?

【問8】久遠実成の法理では、久遠の過去から無限の未来まで、本来、誰もが【A】であるという生命の真実を明かしている。【A】に入る言葉は何か?

<練習問題の解答>

問1:諸法実相
問2:諸法実相
問3:妙法蓮華経
問4:出世の本懐
問5:久遠実成
問6:久遠実成、「如来寿量品第16」に明かされている。
問7:始成正覚
問8:仏

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